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雑記: 読書メモ 「失敗の本質」

1行要約

  • 戦略とは追いかける指標である

感想

  • 指標という言葉の使い方が新鮮。自分の思考習慣に取り入れる。
  • メインテーマ「戦略とは追いかける指標である」がさまざまな観点と大量の具体例から帰納されていて、納得感・深みがすごい。

メモ

本質を失った型の伝承の危険性 - 成功体験を単なる形式として捉えてしまう。 - 勝利の本質は何か? これが組織内に伝承されないといけない →日本の教育制度もこれに近い

メモフォーマット

  • 本の内容 →自分の思考

成功体験が勝利を妨げる

→ 成功体験はいいものだと思っていた。 - 成功体験を放棄することから成功が起こることがある(水際防御の放棄) - アイデンティティすらときには捨てる - 体験の伝承ではなく、勝利の本質を伝えていく - 苦境のインテル経営陣の問い -「僕らがお払い箱になって、取締役会がまったく新しいCEOを連れてきたらそいつらは何をするだろう?」→ DRAM撤退

組織がチャンスをつぶす

  • 1940年: 軍人「レーダー? つかえなくね?そんなの使わねえよ。」
  • 1944年: 軍人「レーダーの差でアメ公にまけた」 →技術者として、時に既存改善業務を捨ててでも、一時的に批判されてでも、断固"革新的実装"に自己・チームのリソースを投下すべきかもしれない。 → Twitterでみた、新システムの批判の声もこれと同じかもしれない → 変化に対する批判は嬉々として受け取るべき

司令部が現場を生かせない

現場の専門家の意見を効かない傲慢さ - 上層部が「自分たちの理解していない現場」を蔑視している - 上層部が「現場の優秀な人間の意見」を参照しない → 指針とかは、一部の熱心で優秀な原盤の人と議論すべき

現場を活性化する仕組み

  • 優秀な部員の選抜(最前線でも)
    • 優秀さを示したやつに重要業務を集中させた
  • たえず前線の緊張感を作戦本部に導入できる
  • 作戦策定に個人のシミがつかない
    • 指揮官を一定期間で交代(2人で交代) →トップが最前線の状況を継続的に理解できるようにするために、自分にできることは?

チャンスを潰すリーダー

①自分が信じたいことを補強してくれる事実だけをみる ②他人の能力を信じず、理解する姿勢がない ③階級の上下を超えて他者の視点を活用することをしらない

組織に緊張を創造すること

①客観的環境を主観的に再構成or演出するリーダーの洞察力 ②異質な情報・知識の交流 ③ヒトの抜擢などによる権力構造のたえざる均衡破壊

議論の影響比率を見抜け

1%しか影響しなさそうなことでも、言い続ければ空気を変えてしまう 「部屋が汚い人は、仕事ができないから、抜擢するのはやめよう」→ それの影響度は本当に高いのか? 何%影響するのか? を常に疑う。

耳に痛い情報をもってくる人物を絶対に遠ざけない

→逆に自分は耳に痛い情報をあげつづけなければならない

番外編: 将棋で考えると

長い歴史により戦略の型が決まりきっているのでイノベーションは起こしずらい。しかし「戦局によって勝利への指標が変わる」という点はビジネス・戦争と近しい。

将棋における戦略(追いかける指標)

  • 駒得という指標を最優先とするか
    • 大駒の数を最優先とするか
    • 駒数を最優先とするか
  • 手得という指標を最優先とするか
  • 囲いの堅さという指標を最優先とするか

将棋における、戦術を構成するもの

  • 駒得、手得、陣形の実現をしていくアイディア・ロジック
  • 囲い / 戦法の幅の広さ、適切な選択
  • 選択肢の網羅(詰将棋力)